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このコーナーでは、ロンドン最新保険情報を定期的に発信致しております。できるだけ皆様が関心を持っておられると思われるニュースに限定して発信してまいります。皆様からの忌憚のないご意見をお待ちしております。
News Summary

金融サービス機構(FSA)のリスク移転規則が迷走

  FSAはリスク移転に関する最終的な規則をもう1年遅らせることになりそうだ。
  FSAは今月下旬にブローカー規制の最終案を発表する際にこの決定を発表するものとみられている。
  消息筋によると、顧客のお金(保険料)について信用リスクを保険会社へ移転することに関する規則について、FSAは暫定的に修正し、この問題についてはハイレベルガイダンスのみを発表する。
  FSAは2004年にもう1度提案(Consultation)を実施し、最終的な規則は2004年の終りまたは2005年の初めに行うものとみられる。
「リスク移転に関する最終規則の発表と規則の開始(2005年1月14日)の間に時間がなくスケジュールがタイトになる」とあるブローカーは心配する。
  既存の代理店契約書のなかに顧客のお金のリスク移転について契約を構成するために必要となる条項が入っているかどうかを保険会社と打ち合わせした後にFSAはリスク移転に関する最終規則の設定を遅らせることを決定している。
  FSAのスタンスは、代理店契約書のなかで保険カバーの開始権限をブローカーに与えているのであればブローカーは保険会社の代理人を勤めているのにすぎず、代理店契約書はリスク移転に関する契約を構成するというもの。ブローカーがカバーの確認前に仮のカバーかカバーノートを発行する権限をもっている場合には、ブローカーは誰を代理しているのか、また保険会社の提供するEDIシステムまたはクオーテーションシステムを使っている場合にブローカーは誰を代理しているのか、は「グレーエリア」(あいまいな部分)であり、FSAは更なるアドバイスを求めている。(Insurance Times 1/8/2004)
  注)「顧客のお金のリスク移転」とは、たとえば保険料を顧客から収受したブローカーが保険会社に精算する前に倒産した場合、ブローカー、保険会社のどちらに保険料に対する責任があるかというもの。

ロイズの2004年度の引受けキャパシティは149億ポンド

  ロイズの2004年度の引受けキャパシティは149億ポンド(2兆8,300億円)であることが判明した。
  一部のシンジケートは大幅にキャパシティを減らしている。たとえば、ACE Syndicate 2488は7億2,500万ポンドから5億5,000万ポンドに、St. Paul Syndicate 5000および779は4億5,500万ポンドから3億2,900万ポンドに、またMarkel Syndicate 3000は2億6,000万ポンドに減らしている。逆にキャパを増やしたSyndicateもあり、Liberty Syndicate 190および282は31%増やして7億9,300万ポンドに、またTalbot Syndicate 1183は1億9,400万ポンドから2億8,800万ポンドに増やしている。(Insurance Day 1/7/2004; Insurance Times 1/8/2004)

Kiln ロイズで新しい戦争危険のカバーを始める

  運営代理店であるRJ Kilnは陸上における長期の内戦(Long term and domestic war on land; LDWL)のリスクをロイズマーケットで引き受ける最初の保険会社となった。
  Kilnの子会社は1月1日からSyndicate 510で引受けを始め、世界の新興市場で投資または事業展開をしている会社をターゲットにするという。
米国およびその同盟国がイラクのような地域で暴動を鎮圧したり、国際的な企業と一緒になって疲弊したインフラを再建する努力を続けているところから、保険分野ではこれらの地域でこのカバーに対する需要が高まっているとみている。
  陸上における長期の内戦(LDWL)は複数年にわたる陸上における国際戦争保険(従来12か月の期間に限定)に陸上における内戦を組み合わせた新しいリスクカテゴリーで、被保険企業が定住する国における戦争リスクをカバーする。この新ビジネスは同シンジケートのアンダーライターCharles Franks氏が率いる海上・特殊リスク部門が取扱う。
  Kilnのアンダーライティング担当のRobert Chase取締役は「ロイズマーケットではこれまで提供されていなかったこのビジネスに対してブローカーや既存および見込み顧客の関心が高いことを期待している。当社が提供している特殊保険を補完し、テロ、没収、契約打切り、交換移転禁止を含む危険と抱き合わせで引き受ける」という。
  「KilnがLDWLカバーを提供できるということは包括的なポリティカルリスク保険を買いたい企業が初めてロイズの保険会社に来れるようになるということだ」という。
  航空保険ではプレミア付きなるもイラクで運行する航空機に対するカバーはあるが、イラクおよび同様に戦争で疲弊した地域で企業に陸上のリスクに対するカバーはなかなか見つからなかった。市場の関係者によると、現下の強含みのレート環境下ではこの種目にキャパシティを振り向ける(保険会社の)意欲も低いという。
  このように陸上における戦争リスク、テロリスクの引受けをためらうのは複雑かつ変化する安全保障上の力学の精でもある。
  主要な軍事施設や輸送車隊を守るため米国軍を使わずに民間の警備会社、まま十分に訓練されていない現地軍をイラクの前線に出させるという戦略上の転換もある。最重要な要素の1つは、アンダーライターが地上の資産を守る者の能力を信頼できることが必要なので、リスクに固有な高度の情報がタイムリーに手に入るかどうかである。(Insurance Day 1/9/2004)

企業物件のレートは2004年上期も上がる

  Prudential Equity Groupが保険の買い手を調査した結果、企業物件のレートは2004年上期も前年同期より上昇するのは確実なものの、上昇幅は引続きなだらかになりそうだという。
  Propertyのレートは横ばいを予想するものの、賠責の保険料は平均10%上昇、全般的には上昇幅は10%以下にとどまるものと見られている。フォーチューン1000社を含む100社のリスクマネージャーに電話で聞き取り調査したもので、調査に応じた人の4分の3はハードマーケットは2005年または2006年に終わると予想している。(Insurance Day 1/5/2004)

自動車の盗難

  AA(自動車連盟)の調査によると、凍てつく朝にはドライバーの16%以上がエンジンをかけっぱなしにして車を暖めていることが分かった。
  盗難車の10台に1台はキーをイグニションにさしたままドアをロックせずに放置されたために発生していると保険会社はみている。英内務省の統計では、毎年英国で盗まれる314,000台の車の半分近くが所有者の家の外で発生し、車両の全盗難の12%は車のキーを使ったものであるという。(Insurance Day 1/5/2004)

ブローカーの利益がふっとぶ

  コンプライアンスを守るためのコストでブローカーの利益が決定的な打撃を受ける可能性があるという。
  主導的なブローカーの試算によると、規制のコストで(ブローカー)会社の利益の大半はなくなるという。小規模ブローカーの場合、利幅は規制コストで完全に食いつぶされる。
  会計規則の変更でブローカーの利益は大きく目減りするとつい数週間前に会計士が警告したばかりだというのに、このニュースである。
  個々の会社に対する影響は規制の要請に応えるためにどれだけ仕事をする必要があるかどうかに大きくかかっている。
  Stuart Alexander社のStuart Reid社長は「ブローカー手数料の4―7%になるとみている。これはブローカーの平均利益より大きい。」
  Biba(英国ブローカー協会)の試算によると、全体のコストはもっと大きく18%になるかもしれないという。
  Layton Blackham Group社のCEO Chris Blackham氏は、手数料は(保険料を)顧客に請求したときではなく実際に受け取ったときに収入として認識しなければならないとするFSAの条件(いわゆる“Received Basis”)が最大の追加コスト要因であると強調する。
  Blackham氏は「この変更だけで収入の10-25%を占める」という。
  規制は直接コスト、ランニングコストに対して大きなインパクトになる。」   コンサルタントであるRW Associates社のコンプライアンス担当のAlex Peterkin氏は小規模ブローカーにとってトータルコストはらくに手数料収入を上回るという。「アドバイザー費用だけでブローカーの支出は£15,000-20,000になる。」
  「その上、新しいシステム、コンプライアンスオフィサーなどの費用がある。トータルコストは小さいブローカーの手数料収入の150%にもなりうる。」
Total Broker Solutions社のCEO Mike Williams氏は規制の長期的なメリットも見るべきであり、コストだけ考えるべきではないという。
  「(FSAの)提案しているところはもっともなことであり、効率や(顧客)保護の観点からは間違いなくメリットがある。(Insurance Times 1/8/2004)

ブローカーの93%は独立路線を志向

  金融サービス機構(FSA)の直接監督が始まるまで残すところあと1年となったが、大半のブローカーは独立路線を守る意向であることが分かった。
  ブローカーStuart Alexander社のためにNMGリサーチが行ったブローカー300社の調査によると、ブローカーの93%はFSAの認可を取り独立を守る計画であることが明らかになった。
  売却を考えているのは6%に過ぎず、しかも大部分は来年中に売却することを計画している。買い手を選ぶに当たっては評判と値段を最も重要な要素にあげている。7%が同規模の他のブローカーとの合併を考えている。
  回答に応じた会社はネットワークには否定的で、現在ネットワーク入りしていない。会社の67%は今後2年以内にネットワークに加わることは考えていないという。
  調査会社が売上げが50万ポンド(9,500万円)から1,000万ポンド(19億円)の間の企業物件専門ブローカーの役員に規制と将来のビジネス計画についての考えを質したところ、大部分にあたる72%が企業保険のマーケットの将来について肯定的に見ている。80%以上は今後2年間で成長すると言っており、22%は他社の買収を計画している。売上げが500万ポンド(9.5億円)から1,000万ポンド(19億円)の間の会社が最も強気である。FSAの監督に対しては、肯定的が優位を占め、48%は(FSAの)監督がビジネスにプラスになると考えている。大部分のブローカーはFSAの主要な提案について楽観的であり、60%以上は会計基準、職業人賠責保険、資本金などの要件は会社にとって大したインパクトにはならない、と回答している。
  ブローカーの47%はFSAによる追加情報の要求は有益だと考えている。(Insurance Times 12/18/2003)

JLT社、保険料は高止まりを予想

  ブローカーJardine Lloyd Thompson (JLT)社はハードマーケットが続くと予測する。
  同社の年次マーケット情勢レポートの中で、JLT社は賠責保険、特に役員賠償、使用者賠償、生産物賠償、医療過誤などの賠償責任分野の保険料が2004年も堅調を維持、もしくは上昇しそうだという。
  レポートによると、タフな保険料の環境 - 史上最悪の損害を被った後保険会社はバランスシートの再構築に努めている - に加えてロングテールのリスクに対する引受意欲がなくなっていることが重なり、賠責保険料はここ当分の間高止まりしそうだという。
  コングロマリット、製薬会社、鉄道会社など「問題」視されている業種は2003年に平均を上回る保険料の上昇を経験したとレポートは述べており、来年も状況は変わりそうにないという。
  レポートは、保険マーケットは保険料の上昇と2003年にキャタストロフィー損害が平均以下であったため、脆弱とはいえ安定的なポジションに戻りつつあるという。
  JLT社のCEO Steve McGill氏はいう「年度末に近づくにつれ、世界の株式市場の多くは年初より高値で終わりそうだ。しかし毀損した資本の再構築には何年もかかる。影響を受けた元受保険会社・再保険会社には保険料が下がるのを黙って見ている余裕はない。」 「2003年に一部保険料は下がったし、新しいキャパシティができるにはできたが、全般的に2004年もハードマーケットは続くと思う。従って、プレッシャーは減るかもしれないが、ハードマーケットの特徴の多くは存在し続けるだろう」という。
「ロングテールの賠責保険料は上昇を続け、種目によってはキャパシティがタイトになるだろう。賠責は保険会社が引受を伸ばすより魅力的なエリアになりそうだ。」
  レポートはバーミューダに保険会社が新設された点に着目し、9月11日の攻撃以降のハードマーケットで保険料が上昇し、投資家に(投資の)機会を開くことになり、また新しい資金がマーケットにもたらされたという。
  「ヨーロッパで160億ドル、アメリカで120億ドルの資本が集まったが、この資本の大部分は再保険会社・元受保険会社のバランスシートの再構築に向かった」という。「これに対して、バーミューダは80億ドルを集め、既存会社の資本増強のため更に60億ドルが集められた。」
  「ロンドンマーケットも新しいお金で30億ドルを引っ張ってきたが、この資本の大半は引受キャパシティの引き上げに使われた。」
  新しいお金は収入面で古いお金を打ち負かしている、とJLTはいう。過去の引き受けに対する準備金(アスベスト損害などの積み立て負担のこと)の問題がないため、新設会社は好転した引き受け環境に資本を投下でき、既存の保険会社と競争することができた。
  この競争は2004年には一層激しくなることは必至だ。ヨーロッパの再保険・元受保険会社の2002年度のコンバインドレシオが105.1%、米国保険会社のそれが121.3%であったのに対して、バーミューダの再保険会社・元受会社のそれは97.1%であった。 保険料上昇のもう1つの効果は役員会でも感じられているとレポートはいう。最近の保険料の上昇とコーポレートガバナンスが重視されるようになったのが重なって、企業保険の購入が益々会社の役員会の議題にあがるようになった。
  これがきっかけで保険の買い手の間でリスクエクスポージャーと保険プログラムをもっと自ら管理したいという機運も高まった。これがいろんな形、たとえばCaptiveの活用、リスク保有額の引き上げ、保険の経済性をもっと技術的に分析するなどの形であらわれているとJLT社はいう。
  会社が直面するリスクが従来以上に複雑化し、多くの場合予測不可能になるにつれ、このトレンドが続くのは必至だ。2002年に新しいCaptiveが史上空前の462社も創設されている。
  しかしレポートによると、マーケットの将来の方向にはまだ不確実性があるという。 「2003年に世界の元受保険および再保険業界は徐々に安定を取り戻りつつあるが、脆弱なバランスに上に立っている。」とブローカーはいう。
  「保険会社の準備金は2002年の株式投資利回りが低いためまだ減耗している。業界の損害準備金―特にアスベストや直近のソフトマーケット(1997-2000年)のときに引き受けた米国の賠責種目のようなロングテールのエクスポージャーに関する―を巡る不安が現実のものとして残っている。
  「人災であれ自然災害であれもう一度キャタストロフィー損害が発生したら、一部元受保険会社、特に再保険会社のなかには相当窮地に陥るところが出るだろう。」
  現在の環境では引き受け成績が健全なので、特にバーミューダの新設会社の間で保険会社の一段の統合があるとはJLT社は見ていないという。逆に仲介業者が英国の監督官庁である金融サービス機構にコンプラィアンスするための金銭コストがきっかけになって、ブローカーの統合活動に拍車がかかることも予想される。(Insurance Day 12/30/2003)