LONDON保険通信
  Interview| news | communication | back issues

ビッグバンの名の下に、現在進行中の自由化競争がいかに進展しているかをシリーズとして、弊社会長佐野圭作より、私見をご紹介致します。
今般、JIN会員の方から以下のアドバイスご要請に接しましたのでご参考迄に、皆様へもご案内申し上げます。

「ブローカーの営業戦略」


まず、保険会社の現在の位置付けをしてみましょう。
大きく分類すると、

  1. 純日系損保
  2. 外資系損保
  3. 生保系損保
  4. 直販会社
  5. その他共済、等など
      
    …になります。
経歴

1943年生、日系損保会社を経て、英国初の日系保険ブローカーを設立。韓国、中国系を含めグループ5社の会長。

その特色は、
 1. 純日系損保: 
   東京海上に代表される優良企業会社で打っている手は、
   (I) マーケットシェアの拡大指向: レートダウン、新商品攻勢、長時間労働
   (II) コスト削減: (a) 従業員は長時間労働、給与(ボーナス)減収、
                早期退職、人員削減
             (b) 代理店、ブローカーの手数料削減策の強化
             (c) 合併、吸収による人員削減を中心とした経営効率化
             (d) I.T化を自社都合のみで進める(真の効率化に疑問視)
   …では何が不足しているか?
   単純に言えば、“自社が売りたい商品を自社が売りたい方法で、自社がもうけたい様にやっている”
   というところが、大同小異あれど実態でしょう。
   その不足は、「真に顧客の求める商品、サービス不足」と言えましょう。
   (当然、全社の有能な社員の人々はこの表現には反論されます。)
   …自分達は当然のことながら、顧客のためにやっていると信じていますから、本当の姿は自分では
   見えません。多分退職されて、本当に外に出るまでは分かりません。
   (会社への帰属意識がものすごく高い。)

 2. 外資系損保: 
   1の純日本に対し社員は会社への帰属意識が比較的薄く、その為自由な発想も出来る反面、
   中途半端になりやすい危険性もある。
   「その打つ手は」
   (I) 欧米式に経営効率化は当初より計っているが、
     ・ 1の純日本のやり方に準じているところと
     ・ リスク特化型に徹しているところもあり
     ・ 販売方式を特化しているところあり
     ・ 利益追求がむずかしければ、すぐ撤退するところあり…
     等など、非常に単純明瞭な戦略を打っている。

 3. 直販会社: 
   英国で1990年代に成功した“ダイレクトライン”社の日本版的戦法なれど、未だ時到らずの感で、
   “日本の風土”、“既存の純日系損保、代理店網”にはばまれており、価額対サービス
   (地縁、古いつながり)の真の破壊が発生していない。
   未だ、“まあまあ”の世界、“人との関係”、“人情”の世界で個人保険が語られてていると言っても
   言い過ぎではない。直販会社のインパクトが未爆発ということでしょう。(日本人は、英米人ではない
   ことをもっと良く知った人がやらねばならない)。
   真の日本人が日本的直販をやったらそこれはこわいです。

 4. 生保系損保
   今発生している損保各社の合併合同が一巡するにつけ、特化した会社以外は全て他の日系純損保
   系と合同合併されると判断しています。特化したものがほとんどない小損保の存在は何の価値も
   顧客にとってないもので、自然淘汰されます。

 5. その他共済等…
   日本のこの共済が昔からある日本的“保険直販”会社なのです。マーケットを長年、農業分野とが
   特定職域に限定されていた為に制限はあったものの、この共済の力はすでに強力であります。
   「共済…直販会社」の自由化がすすむ程に大衆分野でのマーケットシェアは欧米流に1/3へ近づくと
   考えられます。しかしながら、2/3位は既存の損保会社へ残り続けることでしょう。
   では以上をふまえた上で、我々“ブローカーの営業戦略”は何かと問えば、それに対するアドバイスは
   以下の通りです。

   (I) 特化すること:   (a) 商品リスクに於て
                (b) 販売手法に於て
                (c) その他

   (II) 巨大化すると:  (a) 資本化、人的、組織的、系列的
                (b) 売上額、巨大化
                (c) ネットワーク化
                (d) 大手ブローカーの傘下(いづれ吸収消滅)

   (III) 専属化すると:ブローカーをやめて、専属代理店化という手法もあるが、専属コンサルタント
      としてのブローカーからの脱出(フィービジネスへの転出)

 …が考えられます。
 具体策は千差万別ですので、貴兄の将来はどの道を選ぶかで大きく変れると存じます。

 JINロンドン保険通信も永らく業界の変化を見守っております。又、「時到れり」の鐘の音が聞こえる
 直前に出撃を考えています。
 皆々様も日夜ご奮闘下されることを心から祈ってする次第です。
 暑さ厳しい折柄ご自愛下さい。

                                     佐野